SOLUTIONS 課題解決事例
ダンボールケースからアレンジバッグに切り替えて、経費3割減を実現!
西日本衛材株式会社様
古紙を再生してトイレットペーパーを生産する西日本衛材株式会社(兵庫県たつの市)。牛乳パックの再生化をいち早く行うなど古紙再生技術に優れ、資源を有効活用しながら生活必需品であるトイレットペーパーを常に安定供給しています。「梱包材をダンボールからシコーのアレンジバッグ(大型外装袋)に替えて、コストと手間が大幅に削減できました」と言う同社の合田康人社長に、アレンジバッグ導入のポイントを伺いました。
現在の問題点
ダンボールは運ぶのも大変でコストもかかる
アレンジバッグ導入前はどんな問題がありましたか?
合田社長:ダンボールは重い上にかさばるんです。包装設備(ケーサー)にダンボールをセットするのですが、かさが高いから一度にたくさんセットできない。だから何度も苦労をしてダンボールを運んでこないといけません。さらにコストが高い。大量に消費するものだから、何とか梱包材のコストを抑えられないものかと、ずっと考えていました。
アレンジバッグ導入のきっかけは?
合田社長:11年前(2014年7月現在)、大手製紙会社ブランドのトイレットペーパーをOEM生産することになった際に、紙袋での包装があることを知りました。これがアレンジバッグの良さを知る契機となり、当社製品の梱包にも是非取り入れたいと思ったんです。しばらくはそのOEM製品だけにアレンジバッグを使っていましたが、6年前、トイレットペーパーの梱包材の大半をアレンジバッグに切り替えました。
シコーは以前からご存じでしたか?
合田社長:はい、そのOEM受託先企業でずっと使っているのを見ていたので、この袋の存在自体も、けっこう以前から知っていましたよ。
ほかに検討した製品はありますか?
合田社長:ありません。というより、こういう袋をつくっているのはシコーさん以外ほとんどなかったので、検討する余地がなかったというのが正しいでしょうか。
改善ポイント
POINT:アレンジバッグにより送料も含めコスト削減
導入して良かった点はなんですか?
合田社長:やはり一番大きかったのがコスト削減です。製品そのもののコストはもちろん、在庫スペースも10分の1くらいで済みますから発注回数も激減して、送料も削減できました。紙袋はコンパクトだから一度にたくさん運べて、同じスペースに大量にストックできます。ダンボール時代は1日2回配送してもらう必要があったのですが、今では週1回で済んでいます。トータルで3割のコストダウンができました。
作業性に関しては?
合田社長:梱包材をパレットに載せて移動させるのですが、1パレットに積める量が、ダンボールなら300枚程度だったところを、アレンジバッグなら2,000枚。以前は梱包材を置いている階からケーサーのある階へ1日10回くらい運ばねばならず、それだけでも大変でした。今は1回でほぼ大丈夫です。
また、ケーサーにセットする回数も減りました。アレンジバッグなら一度に最大500~600枚セットでき、補充は1日3~4回で事足ります。ダンボールの時は何度も何度も補充しなければなりませんでした。常に運んで補充して、という感じだったので、それをするためだけの人員が必要でした。
梱包材を運ぶ時の積み下ろしも軽くなって、作業性が格段によくなりました。手間が少なくなって効率がよくなった分、人件費の削減にも貢献してくれています。
ほかにどんなメリットが得られましたか?
合田社長:アレンジバッグに替えたことで、それまでダンボール側面に入れてもらっていた商品名とバーコードを自社でインクジェット印刷できるようになったことです。この印刷工程をラインに組み込むことによって、発注するケースの種類が10分の1に減りました。
また、ダンボールは意外に落下や衝撃に弱く、ちょっと当たるだけで凹んでしまうことがあります。 それに雨に濡れると極端に強度を失い、商品価値が無くなることもあります。 そうなると、中身は全く問題がなくても返品の対象になってしまうんです。アレンジバッグだと、軽く落とした程度なら凹んだままにならず復元しますし、少々濡れても拭いてあげれば中に染み込むこともありません。こういう事が原因で返品されるケースは大幅に減りました。
導入後、現場の反応は?
合田社長:社内では、軽くコンパクトで運びやすいのでダンボール時代と比べて作業が楽になった、という声が多いですね。導入前は、持ちにくいんじゃないか、といった懸念もありましたが、特にクレームは出ませんでした。
納品先の現場からも、導入前は不安の声がありました。どうしても、紙は弱いとか破れそうとか、荷崩れするのでは、というイメージがあるのです。しかし実際に扱ってもらい、それは取り越し苦労であることが分かってもらえました。非常に丈夫ですし、ロールの芯をタテにして積めば今までどおり高く積んでも荷崩れしないんですよ。
何か要望はありますか?
合田社長 : サイズの精度がもっとよくなればうれしいですね。この大きなサイズで±5mm以内の誤差に必ず収めてくれていますが、中の製品がトイレットペーパーであるという特性上、紙のケースで梱包となると、かなりタイトに包まねばなりません。少しでもブカブカ感が出るとクレームにつながりますから。
(収録日:2014年7月)
西日本衛材様 会社紹介
古紙リサイクルから高品質なトイレットペーパーを製品化
西日本衛材様は家庭用の再生紙トイレットペーパーの製造販売を行うメーカーです。
主に牛乳紙パックや企業から廃棄されるオフィスペーパーなどの産業古紙を原料とし、それを溶かしゴミやインクを除去し洗浄を行い、高品質なトイレットペーパーへ生まれ変わらせます。
不純物の徹底除去
再生紙にはホッチキスの針やプラスチックなどの不純物が紛れ込んでいます。再生トイレットペーパーにこれらの不純物が紛れ込まないように徹底した分離除去を行います。
高いクオリティの品質管理
製造工程で、PH管理、濃度検査、原紙秤量検査、原紙外観検査(キョウ雑物)、ログ直径検査など。製品管理では、紙幅、巻き取り経、長さ、秤量、破裂強度、ホグレやすさ・白色度などの検査を行っております。
印刷技術の変化に合わせたインクの除去
年々、印刷技術の向上により水に強く落ちにくい印刷が可能になってきました。ただ、再生紙にするにはこれらの印刷を綺麗に取り除く(脱墨)必要があります。 西日本衛材様では長年のノウハウと経験より最適な脱墨作業を施し、白く品質の高い製品作りを行っています。
安定した在庫管理
トイレットペーパーは生活必需品で、在庫などが滞ると大きな社会問題などを引き起こします。西日本衛材様では大型の倉庫に常に2万個ほどの在庫を持つことでお客様への安定供給を行っています。
地域環境にも配慮した保全設備
古紙再生で使用した排水をきれいにして自然に還すために、排水施設を完備しています。凝集沈殿処理(一次処理施設)とその処理水を微生物にて再度処理を行う活性汚泥処理(二次処理施設)の2段階にて処理を行っております。
詳しくは西日本衛材様のWebサイトをご確認ください