SIKO FEATURED

バキュームで物流費削減!?

包装業界レポート

2024年の4月以降、トラックドライバーの時間外労働時間の上限が法律で規制され、輸送能力の不足、「ものが運べなくなる可能性」がでてきました。そんな2024年問題がいよいよ現実化してくるこのタイミングで、バキュームを活かした充填方法で輸送効率を改善し、物流費改善を実現できる充填方法のご紹介を致します。

1.GREIF-VELOX社様(ドイツ)のバキューム充填

2017年のインターパック(ドイツで開催される世界最大規模の包装展示会)において披露されていたものを再度ご紹介します。

カーボンブラックなどのカサ比重が大きい内容物を両底袋に充填するために開発されたバキューム充填機です。こちらはすでにベルギーのカーボンブラック生産工場で実績があり、機械メーカーの動画でも紹介されております。

この充填機を利用することでのメリットとして、以下が挙げられます。

a. バキューム充填による圧縮で輸送コストが削減(底幅170mm→90mm)
b. 真空チャンバーでのバキューム充填で作業環境の改善

カーボンブラック以外でもシリカやピグメントなどの内容物に適しているそうです。

2.クリンペット・ジャパン様のクラパック

2つ目は段ボールから紙袋に置き換えたバキューム充填のご紹介です。

※クリンペット・ジャパン様のHPより引用

クリンペット・ジャパン様が特許を所持されるこの梱包方法は、タオルペーパーなどを圧縮して体積を小さくしたうえで、紙袋(弊社商品名:アレンジバッグ)に充填するというものです。圧縮梱包により約50%の体積を小さくすることを実現しました。また、梱包材を段ボールと紙袋とで比較した場合、重量ベースで△75%の実現が可能なので、環境にも優しい包装と言えます。

タオルペーパーのような柔らかい内容物の場合、「圧縮して紙袋につめる」という方法も物流問題の打ち手として有効です。

最後に

2024年の物流問題はもちろん、ありとあらゆるもののコストが高騰していく中で、今までと同じやり方を継続することは難しくなっています。少し視点を変えてみて、今ある充填方法の見直しや資材の変更をすることで課題を解決できるかもしれません。

10年前にはなかった充填方法が、今ある課題のソリューションとなり、10年後の常識になっているかもしれない。そんな想いでバキューム包装についてご紹介させて頂きました。